資金調達力の高い決算書にする

事業の拡大スピードをあげるには金融機関の協力が不可欠です。

例えば、卸売業の場合は在庫を自己資金だけで回す場合と、金融機関借入を在庫資金に充てる場合で回転率が倍以上かわることもあります。卸売業は一般的には利益率が低い商売ですので在庫投資が最も重要な商売のひとつであると考えられます。

他に、多店舗商売の場合も自己資金だけで新店舗出店をしていくのは現代のビジネス環境から考えるとスピード感が遅いように感じます。多店舗商売の場合運転資金は日銭で入ってくることが多いのでいかにイニシャルの開店資金を確保できるかが勝負の分かれ目であると考えます。

 

金融機関が融資の可否判断で最も重視するのが決算書です。

決算書の中でもっとも重視している指標は自己資本比率と債務償還年数です。

自己資本比率と債務償還年数の視点から決算書をみてみると以下のようになります。

 

逆に経常利益800万円+減価償却費200万円の場合は債務償還年数が5年となるため、まだ返済余力があるとみられ、返済した金額以上に融資を検討いただける可能性があります。

自己資金比率

★自己資本比率は最低20%以上を確保したい。目標30

 

自己資本比率とは貸借対照表の負債および純資産合計に対する純資産の部合計の割合です。

純資産の部がマイナスになっていますといわゆる「債務超過」になり、債務超過の会社に対する金融機関の見方は厳しくなります。

 

○例 

負債および純資産合計 1億円 純資産 1000万円→自己資本比率10

負債および純資産合計 1億円 純資産 2000万円→自己資本比率20

負債および純資産合計 1億円 純資産 -1000万円→自己資本比率-10% (債務超過)

 

それでは自己資本比率をあげるにはどうすればいいのでしょうか。

純資産を増やすか、負債を減らすか、相対的に純資産の割合を増やすの3つの方法があります。それぞれの具体的な方策は以下の通りです。

 

○純資産を増やす方法

・資本金を増資する。

・毎期利益をあげ、税引き後の利益で「繰越利益剰余金」を積んでいく

 

○負債を減らす方法

・銀行借入金を減らす。

・経営者借入を資本振替する

 

○相対的に純資産の割合を増やす方法
・リースを売買処理でなく、賃借料処理する。

・割引手形を資産、負債両建て計上せず、割り引いた段階で相殺処理する。

債務償還年数

★債務償還年数を10年以内にする。

債務償還年数は10年以内が望ましいとされております。ただ、中小企業の平均値をみますと12.5年ほどという数字が出ておりますので近年は少し緩和されている感覚があります。

銀行借り入れを何年分の利益で返済ができるかという指標です。

債務償還年数は以下の計算式で算定します。

1.経常利益+減価償却費=返済財源

2.銀行借入金残高÷返済財源=債務償還年数

 

○例

銀行借入が5000万円で経常利益300万円+減価償却費200万円の場合、債務償還年数は10年です。このぐらいのバランスなら債務償還年数10年以内を満たしますので、返済した金額の借り換え交渉がしやすいと考えられます。

 

仮に、経常利益が50万円+減価償却費200万円は債務償還年数が20年となるため、金融機関には回収に時間がかかりすぎるため少し懸念を与えます。

返済した金額の借り換えも渋られる可能性があります。

逆に経常利益800万円+減価償却費200万円の場合は債務償還年数が5年となるため、まだ返済余力があるとみられ、返済した金額以上に融資を検討いただける可能性があります。

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