日本政策金融公庫の創業融資は可決率が概ね30%程度と言われております。
なぜ可決率が低いかと言いますと、創業計画書のアピール不足など主に4つの理由があります。
ここに記載されている失敗例を反面教師として創業計画書をご作成ください。
日本政策金融公庫の新創業融資は『創業時において創業資金総額の10分の1以上の自己資金』を確認できることが要件とされております。
それでは要件通りに10分の1の自己資金で借入ができるのでしょうか。
答えはNOです。
現在は上記のような制度になっておりますが、つい5年程前までは自己資金要件が借入額の2分の1必要でした。
制度は10分の1の自己資金に変更になりましたが、今まで借入額の2分の1自己資金で審査をしていた現場の担当者が急に、10分の1でもいいと言われても対応ができないという声を聞いたことがあります。
私が創業融資のお手伝いをした事例としましては借入希望額の最低限3分の1の自己資金を用意できていないケースは融資可決率が落ちていると思います。
また、お金があればすべてが自己資金として認めてもらえるわけではありません。
タンス預金など第三者から見て出所がわかりづらいお金の場合は自己資金にはなりませんので注意が必要です。
開業する業界での実務経験も重視されるポイントのひとつです。
金融機関は過去の融資実績から事業経験が長い創業者のほうが生存率が高いことを統計としてもっているためです。
創業計画書のフォーマットですと事業経験を記載する欄が狭いため事業経験をアピールしきれません。
転職活動の職務経歴書をイメージして別紙のA4 1~2枚でまとめるだけでも印象が大きく変わります。
面談担当者は創業者が計数感覚を持っているか面談で見ております。
・売上数字が絵に描いた餅になっていないか
・売上計画を盛り過ぎて現実味のない数字になっていないか
などに注意をして販売計画を立てる必要があります。
金融機関は貸した金に利息を付けて確実に返ってくることを望みます。
そのため、大儲けする計画より、堅実的で実行可能性が高い計画を好みます。
また、創業融資を受けた後にも金融機関とは長い付き合いになりますので、あまり現実味のない計画を出してしまうと次回以降追加融資を受ける際に計画の実行可能性が低いとみられてしまい、追加融資の与信が落ちてしまう場合もあります。
事業計画は8割達成可能な計画ですと信頼性が高いといわれます。
8割は達成可能な数値計画を下記に注意をして説明できるようにご検討ください。
商売により多少は変わりますが、売上数値を突き詰めると以下の式に落とし込めます。
売上=客数×客単価
これから自分のやる商売の売上げを上記の式でシンプルに説明できないと融資担当者には悪い印象を与えます。
まずは上記の式に落とし込んでみてください。
ただ、上記の式に落とし込むだけで終わりにすると単なる数字遊びで終わってしまうので肉付けをすることが重要になります。
例えば以下のような考え方で肉付けをして説明をすると印象が変わります。
▼ECサイト
・リスティング広告のキーワード単価×コンバージョン率×平均客単価
・勤務時代にECサイトの立ち上げ経験があれば立ち上げてからの実績値
▼飲食
・勤務時代の実績値
・区役所の人口動態統計で商圏人口を調査して、商圏人口に対しての集客予測
・駅の乗降客数、店舗前の通行人数調査をして乗降客数などに対して一定割合での集客予測
・ランチ、ディナーにわけて席数×回転率から予測
▼小売店
・勤務時代の実績値
・売り場面積×1㎡当たりの月間売上高
・区役所の人口動態統計で商圏人口を出し、統計局の家計調査で調査できる一人当たりの物品消費額を掛け合わせてマーケットサイズを推定、マーケットサイズに対するシェアで算定
▼電話営業
・テレアポ要因数×1日の荷電数×アポ率でアポ数を算出
・アポ数×成約率で見込み成約数を算出
・見込み成約数×客単価で売上げ見込みを算定
▼労働集約型の商売
・従業員1名当たりの売上げ目標×従業員数
▼既存取引先ありきBtoB
・既存契約先の注文見込み数+今後開拓する契約先の注文見込み数
・取引先や業界に顔が利くキーマンとの人脈により、注文が見込める
など、なぜ売上げがあがるかを第三者が納得できるように説明することが重要です。
全業種に共通して言えることは、母数に対して確率論で売上予測を立てることが重要といえます。
上記以外ですと例えば、勤務時代の人脈からの紹介を見込む場合、確率論としては人脈数が多いほうが紹介数も多いことが推定されます。
人脈をアピールする場合は、数で圧倒することが重要になります。
人脈リストを作成して持参する、もらった名刺を持参して見せるなど客観的に確認ができる形でアピールすることをご検討ください。
仮に第三者に完璧な創業計画書を作成してもらったとしても創業者自身が融資面談時に創業計画書の説明をできないと、第三者に作らせた創業計画書であることを面談担当者に見抜かれてしまいます。創業計画書を専門家と一緒に作成するのはいいのですが、ご自身でも説明ができるように面談対策もやってくれる専門家に依頼することが最善だと思います。
創業融資の主な失敗例は以上です。
なにかご不明点がございましたら創業融資累計9億円調達の千代田区神田、磯崎宏司税理士事務所にお気軽にお問い合わせください。
また、創業融資を成功に導くポイント集を下記にまとめました。
ご参照ください。
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